自律型AIエージェントはどれを選ぶ?dots・Muse・Grok Botを同じ3つの作業で検証

※このページにはアフィリエイトリンクが含まれています。

最近、「自分でパソコンを操作して、仕事を最後までやってくれるAI」が、各社から次々と出てきました。名前は聞くけれど、どれがどう違うのか、正直よく分からない、という人も多いと思います。

そこでこの記事では、dots(ドッツ)、Muse(ミューズ)、Grok Bot(グロックボット)という3つの自律型AIエージェントに、まったく同じ3つの作業を、同じ条件でお願いして比べた検証の内容を、分かりやすくまとめます。アメリカで発表された Claude Duet(クロード・デュエット)についても、公開されている情報を紹介します。

※検証の結果は、2026年11月4日時点のものです。各作業は1回ずつ試した結果なので、読む時の目安として見てください。料金も、その時点のものです。最新の情報は、各サービスの公式ページで確かめてください。

まず知っておきたい「AIの3段階」

今回の主役を理解するために、AIの進み方を3つの段階で整理します。

1つ目は「AIチャット」です。ChatGPTやClaude、Geminiのように、質問すると答えが返ってくる形です。指示を出す、返事が返ってくる、という1問1答が中心になります。

2つ目は「AIエージェント」です。指示を受けると、自分で手順に分けて実行し、結果まで出してくれます。「先週のAIのニュースを5件、調べて表にまとめて」と一度言えば、調べるところから表にするところまで進めてくれる、という具合です。

3つ目が「自律型AIエージェント」です。ここが今回の主役で、クラウド上(インターネット側)にある自分専用のパソコンを、AIが自分で操作して、仕事を最後までやり切ってくれます。メールの確認や返信、買い物の注文、スケジュールの調整、資料を作って別のアプリに出しておく、といったことまで任せられます。繰り返す作業は、1回指示しておくと、毎朝や週に1回といった決まったペースで自動で動かすこともできます。

始める時のコツは、チャットのように質問するのではなく、「これをやって」と具体的な仕事を1つ任せてみることです。

4つのツールの共通点

今回名前が挙がるのは、dots、Muse、Grok Bot、Claude Duet の4つです。どれにも共通しているのは、クラウド上にある専用のパソコンで、画面を操作しながら作業する、という点です。

自律型AIエージェントは、まさに今出てきたばかりの新しい分野です。Claude Duet は、2026年10月21日(米国時間)に発表されました。各社が相次いで出しているので、数か月で顔ぶれや性能が変わっていく可能性が高い分野でもあります。

このうち、日本で今使えるのは、dots、Muse、Grok Bot の3つです。Claude Duet は、2026年11月4日時点でアメリカのみの提供で、日本ではまだ使えません。そのため、今回の検証で実際に作業をさせて比べたのは3つで、Claude Duet は公開情報だけの紹介になっています。

料金の比較(2026年11月時点)

まず、気になる料金から見ていきます。検証で紹介されていた価格は、次の通りです。

ツール 料金 検証で使ったプラン
dots ChatGPT Proプラン(月額16,800円から)が必要。Plusなどの低価格プランでは使えない ChatGPT Pro
Muse 無料プランあり。有料プランは、アプリで月額3,499円、Web版で2,799円と報じられている 無料プラン
Grok Bot Premiumプランは月額5,280円から Premiumの1つ上の Super プラン
Claude Duet 日本では使えない(アメリカでは招待制) 検証対象外

大きな違いは、Museだけが無料プランで検証されている点です。dots は、日本ではChatGPTのProプランが必要になるため、「性能以前に、値段が高い」という指摘がありました。Grok Bot は、月額5,280円からのPremiumプランがあり、検証ではその1つ上のSuperプランが使われました。

Claude Duet は、アメリカで、Claudeの有料プラン(ProとMax)の利用者が、ウェイティングリストに登録して招待を受ける形です。研究プレビューの期間中は、追加料金はかからないとされています。

クラウドパソコンの中身と、頭脳・連携アプリ

自律型AIエージェントは、それぞれが自分のパソコンを持っています。その中身(スペック)も、検証で画面から確認されていました。どれも、OSはLinux系です。

ツール CPU メモリ ストレージ
dots 動画では数がはっきりしませんでした 10GB弱 約32GB
Muse 2つ 約8GB 約150GB
Grok Bot 8つ 16GB 約128GB
Claude Duet 公式では非公開

考える担当(モデル)にも違いがあります。dots は、OpenAIの最新のモデルを自動で切り替えながら使う形で、2026年11月3日に追加された新しいモデルは、動きが速く、パソコン操作が得意だそうです。Muse は、Meta製のモデルで動き、無料プランでは「Muse Spark」が使われます。Grok Bot は、処理ごとに最適なモデルを自動で選び、時には他社のモデル(AnthropicのClaudeなど)も使うそうです。Claude Duet は、公開情報では、Claude Opus 5.5 で動くとされています。

つながるアプリ(外部サービスとの連携)の数では、dots が4,000以上、Claude Duet が6,000以上と紹介されていました。Muse は、日本向けに、メルカリやマネーフォワード ME などとの連携が進められている点が特徴です。Grok Bot は、GmailやGoogleカレンダーなどとつながり、自分でアプリを追加することもできるそうです。

使ってみた体感

点数だけでは分からない、使った感触も紹介されていました。

Muse は、チャットは問題なく使えて、画面も分かりやすく、初心者にやさしいそうです。無料でもかなり使える、という評価でした。一方で、3つの中では抜け漏れ(見落とし)が一番多く、画像を作ったり資料を作ったりする「制作」は、指示通りに作るのが難しいそうです。細かい指示をすると、抜けることがある、という点には注意が必要です。

dots は、検証した人の体感では、使える量が一番大きいことが強みで、量を気にせず任せられたそうです。ただし、公式には作業量の枠の具体的な数字は公表されていないようです。抜け漏れの少なさは、MuseとGrok Botの間くらい。日本で使うにはProプランが必要で、値段が高いのが難点です。

Grok Bot は、抜けが一番少なかったそうです。メールでも「見逃してはいけない大事なメール」や大事なニュースを拾ってくれる点や、1つのボットで複数の作業を並行して進められる点が、便利だそうです。反面、使える量が減るのは早いそうで、最初は1つのボットから始めるのがよく、最初からたくさんのボットは不要、という話もありました。「AI社員が何十人もいる」というような使い方を個人が真似すると、使える量を無駄にするだけ、という指摘もありました。なお、Grok Bot は、検証をした人が普段から使っているツールでもあるそうなので、体感の評価は、その分を割り引いて読むのが公平だと思います。

あとからお願いを追加する時は、「今の作業が終わったらやって」「並行してやって」というように、やるタイミングを指定するとよい、というコツも紹介されていました。これは、どのツールでも使える工夫だと思います。

選ぶための5つの基準

最後に、選ぶ時の物差しとして、5つの基準が挙げられていました。

  1. 料金:月々、払い続けられるか。無料や安いプランで試せるか
  2. 使える量:1日にどれだけ使えるか。同時にいくつ動かせるか
  3. 正確さ:調べものや仕様書作りなど、間違いが困る作業では一番大事
  4. 送る前に止まれるか:メールの返信や買い物では、送る前に確認できるか
  5. 繋がるアプリ:Gmailやカレンダー、Slackなど、繋がるアプリで、任せられる仕事の範囲が変わる

結論:こういう人には、これが合う

  • Muse:無料で試したい人、無料から始めたい人に向きます。画面が分かりやすく、初心者向きです。校正で、正しい部分を書き換えなかった慎重さも評価できます
  • dots:ChatGPTに慣れていて、たくさん使いたい人に向きます。使える量が大きいという評価で、調べものは満点でした。ただし、日本ではProプランが必要で、値段が高い点を納得できる人向けです
  • Grok Bot:1つのボットにたくさんの仕事を任せたい人に向きます。調べものは満点、校正では間違いをすべて見つけました。並行して作業を進められるのも強みです
  • Claude Duet:日本ではまだ使えないため、今の時点では、日本で選ぶ対象には入りません。アメリカでClaudeを使っている人向けの選択肢です

選ぶ時に知っておいてほしいこと

  • 結果は、2026年11月4日時点のものです。各作業は1回だけの試行で、0.5点や1点くらいの小さな差は、誤差の範囲と考えてください
  • AIの進化は速く、数か月で結果が変わる可能性があります。同じツールでも、プランや、その時に使われるモデルで結果は変わります
  • いきなり高いプランに入るのではなく、まず無料や安いプランで試してから選ぶのがおすすめです
  • 記憶(メモリー)の扱いは、ツールごとに違います。検証では、dots はメモリーの設定をオフにして、Muse は設定がないため指示文で「覚えないで」と伝えた、とされています。使う前に、各サービスの説明で確かめてください

まとめ

  • 自律型AIエージェントは、クラウド上の自分専用のパソコンを操作して、仕事を最後までやってくれるAI
  • 日本で使えるのは、dots、Muse、Grok Bot の3つ。Claude Duet はアメリカのみ
  • 料金は、Muse が無料から、Grok Bot が月額5,280円から、dots はChatGPT Pro(月額16,800円から)が必要
  • 同じ3つの作業で比べると、出来は互角で高いレベル。調べものは dots と Grok Bot が満点、校正は Grok Bot が満点、Muse は正しい部分を書き換えない慎重さが光った
  • メールは、3つとも送信せずに下書きで止まれた
  • 選ぶ時は、料金、使える量、正確さ、送る前に止まれるか、繋がるアプリ、の5つで見る

まずは無料や安いプランで1つ試してみて、自分の仕事の任せ方に合うかどうかを確かめるのが、一番確実な選び方だと思います。